貧血とは、血液中の赤血球の数や赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)が減少した状態をいいます。赤血球は肺で受け取った酸素を全身の臓器や細胞に運ぶという重要な働きをしています。赤血球が減少すると体内の臓器や細胞が酸欠状態になるため、めまい・だるさ・頭痛などといった症状が現れます。
身体が著しく成長する学童期では、体内で鉄の需要が高まるため鉄不足になりやすく、その結果貧血になること(鉄欠乏性貧血)が多いといわれています。一般的にこの症状は出にくく、気づかないうちに貧血になっていることがあります。この潜在的な鉄欠乏状態(貧血予備群)を拾い出し、治療に結びつけることが重要となります。
検査項目
- 赤血球数(RBC)
- 血色素量(Hb)
- 血球容積(Ht)
※団体によりフェリチン等追加項目あり。
鉄欠乏性貧血
貧血の中で最も多く、赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)が減少した状態のことをいいます。体内の鉄の多くはヘモグロビンに含まれており、残りは貯蔵鉄としてフェリチンなどの形で肝臓などに蓄えられています。血清鉄は貯蔵鉄が血色素の原料となるために輸送される途中の鉄で、血液中に一定量含まれるようなしくみになっています。鉄欠乏性貧血の場合、血色素量や赤血球数の低下に先立ち、フェリチン、MCHが低下する傾向にあります。フェリチンやMCHは、貧血になる以前の潜在性鉄欠乏性貧血を拾い出すのに有効とされています。