胃がんとは
食べ物を消化する胃。この内側の粘膜から胃がんは発生します。高塩分食やアルコール、喫煙がリスクとされていますが、なかでもヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ菌)の感染が大きな要因とされています。がんの死因を部位別に見たとき、男性では2番目、女性では5番目に多いがんです。
早期のうちは症状がほとんどありません。早期発見・早期治療のために検診を受けましょう。
人口動態統計がん死亡データ
- 男性の主要がん死亡数2020年
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」
(厚生労働省人口動態統計)
- 女性の主要がん死亡数2020年
※第3位は膵臓がん 18232件
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」
(厚生労働省人口動態統計)
胃部X線検査
空腹の状態で、発泡剤とバリウム(造影剤)を飲み、検査台のうえで体の向きを変えながら、X線を使って胃を観察する検査です。
短時間で終わり、胃がんだけでなく胃潰瘍やポリープの発見もできますが、バリウムを飲むことが負担と感じる方がいます。被ばく量は1年間の自然放射線量と同程度です。
被ばく線量について
上部消化管内視鏡検査
いわゆる胃カメラです。口または鼻から内視鏡を入れて、食道から胃を観察する検査です。直接観察するため小さな病変を見つけることができます。バリウムを飲む負担は減りますが、人により挿入時に違和感があります。また、麻酔を使うため検査時間が長く、費用も高くなります。
胃部X線検査で所見があった方や、食道を含めてしっかりと検査したい方におすすめです。
血液検査
- ピロリ菌検査
- ピロリ菌の抗体検査で感染の有無を調べます。
感染が疑われる場合には除菌治療が必要です。ただしこれは胃がんを発見する検査ではなく、そのリスク要因となる感染の有無を調べる検査です。
除菌後も、それまでのピロリ菌感染による胃のダメージは残っているため、検診が必要です
- ペプシノゲン検査
- 胃がんになる前には「萎縮性胃炎」の状態にあることが多いといわれています。血液中のペプシノゲン濃度を測ることで萎縮性胃炎の程度が分かります。これだけで胃がんが分かるものではないため、健診や診断の補助として活用します。